飢えに力強く立ち向かう

クリスティーナ・アギレラ

クリスティーナ・アギレラは31年の歩みの中で、さまざまな経験をしてきた。

ニューヨークのスタテン・アイランドで育ち、幼くして歌手活動をしていた彼女は、“大きな声の小さな少女”と評判だった。この表現は今なお、小柄な彼女にぴったりだ。

彼女はその驚くほどパワフルな声で、多くの若きシンガーたちに刺激を与え、4度のグラミー賞をつかんできたのである。また、ローリングストーン誌の史上最も偉大なシンガーにも選ばれている。

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出典:Wikipedia

現在彼女は、世界有数のスターであることを生かして、飢えを減らすための手助けをしている。

2010年には、「世界飢餓救済キャンペーン」の公式スポークスパーソンである飢餓撲滅大使に任命された。このキャンペーンは、ファストフード企業のヤム・ブランズが展開し、国連世界食糧計画(WFP)への募金を集めているものだ。大使としての彼女の取り組みにより、これまでに2,250万ドルもの募金が集まっている。

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世界最大の人道的な飢餓救済機関[WFP]

1963年に設立されたWFPは世界最大の人道的な飢餓救済機関で、戦争や飢饉、干ばつ、政治的混乱の影響を受けているおよそ70カ国、9,000万人以上の人々に毎年、食べ物を用意している。

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出典:国連WFP 公式HP

また、緊急時の食料支援のほかにも、学校給食を提供して幼い子どもたち が教育を受け続けられるようにしたり、働いた対価として食糧を与えたり、HIVやエイズをかかえて生活する人々に食事を届けたりしている。

貧しい国々でも食べ物がちゃんと生産されるように、WFPは地元の農家から生産物を買い、より安定した市場で自立できるようにすることで、農業が生まれ変わり、強化されるようにしているのだ。

アギレラの活動

アギレラは、世界飢餓救済キャンペーンについて、テレビで広く伝えている。また、出演したプロモーション映像では、ロサンゼルスの街角で世界的にヒットしたバラード「ビューティフル」を歌い、まわりの人を魅了した。

さらに、飢えが人々の暮らしにどんな影響を及ぼしているのか、そして食糧支援は地域社会を立て直すためにいかに役立つのかを確かめようと、ハイチやグアテマラといった食糧支援を受けている地域も訪れている。

「ハイチのひどい現状を目にして、とても心が痛みました。けれども同時に、そこに暮らす人々の気力にも心を動かされたのです」と、ポルトープランスを訪れたアギレラは語った。

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出典:クリスティーナ・アギレラ 公式サイト

2010年に発生したマグニチュード7.0の地震のすぐあとに、彼女は現地の学校に行き、子どもたちに米と豆を給仕したのである。さらに難民キャンプを訪れ、そこに暮らす母親と子どもたちの苦しい状況に心を痛めた。

「みなさん、www.wfp.org/christinaのウェブサイトを開いて、寄付をしてください。そうすれば、このような母子に食べ物を届け、暮らしを立て直す手伝いができるのです」と彼女は話した。

飢えに力強く立ち向かう

自身もマックスという4歳の子を持つ母親であるアギレラは、とりわけ育ち盛りの子どもたちに食べ物を与える必要性を強く訴えている。

「2歳以下の子どもが必要な栄養を得られなかった場合、あとになってその穴を埋めることは決してできないのです。」グアテマラの高地にある村々では、地元の子どもたちの80%が栄養失調状態にあり、これらの村を訪問した際に彼女はそのように話した。

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「およそ15万人の女性と栄養不良の子どもたちに食糧を与え続けるため、WFPでは今すぐ寄付を必要としています。WFPが活動を続けるために必要な資金を得られるよう、わたしは人々の目を開き、関心を高めていきたいのです。」
 

TUNZA日本語版 2013 Vol.1(通巻31号)