人工光は授粉生物を混乱させ、作物の収穫を減らす

19世紀の電球の発明、20世紀の照明システムの急速な普及、そして今日のエネルギー効率の高いLED電球の登場は、人々と経済に計り知れない利益をもたらしました。

しかし、「Nature」誌に掲載された新しい研究によると、人工光にも欠点があることが判明しました。人工光は、夜間、花粉を媒介する生物の感覚を狂わせ、花への行き来を減らし、最終的には果物の収穫量を減少させてしまう可能性があります。

「世界的に、花粉を媒介する生物は大幅に減少しており、最近判明した、この授粉に対する新たな脅威は深刻な問題です」と、UNEPの生態系専門家、マリエタ・サキリアン(Marieta Sakalian)女史は述べています。

スイスの研究者は、夜間の人工光が花粉媒介生物のネットワークを混乱させ、花への行き来を62%減少させることを発見しました。これは結果的に、たとえ昼間の花粉媒介生物が頻繁に授粉しても、果物の収穫量を13%低下させてしまいます。

「夜間、植物が夜行性の花粉媒介生物を惹きつけるためには、香りだけでなく、他の要素も大切でしょう。たとえば、視覚的な合図です。夜間に活動するこれらの生物は、しばしば鋭敏な目を持っているからです」と、今回の研究を率いたEva Knop博士はBBCに語っています。

植物の受粉は、自然の生態系と作物の生産にとって、なくてはならないものであり、これは世界の食料供給を根底から支えています。
花粉媒介生物の数は、生息地の喪失、集約農業、他種の侵入、有害生物、病原体および気候変動のせいで、世界規模で減少しています。
この調査によれば、夜間の人工光は、年間6%の割合で増加しているため、問題はさらに悪くなる可能性があります。

環境に関する世界最高レベルの意思決定機関である国連環境会議(UNEA)が、2017年12月4日から6日まで、ケニアのナイロビで開催される予定ですが、そこではこの問題も含め、あらゆる形の汚染を検討する予定です。我々と共に汚染をなくしていきましょう。
(UNEP Stories 8月30日より要約 http://www.unep.org/stories/)