ハリケーンがもたらす瓦礫の脅威

ハリケーンのハーヴィーとイルマが去った後は、何百万トンもの瓦礫が残り、まるで地獄のような光景です。そして、それらの多くは、有毒なのです。
ヒューストンでは10万以上の家屋が破壊されましたが、当局は今週、800万立方ヤードの瓦礫処分のために、最低2億ドルの費用がかかると述べています。そして、イルマによるカリブ海と米国南東部での損害は数十億ドルにも上ります。
木材、石膏、乾式壁、金属、石油、電子部品―すべてが水に浸かっています。それらを漏水処理をしていない場所で埋め立てすると、地下水を汚染する可能性があります。

乾式壁の石膏は、分解すると硫化水素ガスを発生しますが、このようなものも一緒くたに捨てられてしまうかもしれません。
オースティンの環境保護基金(Environmental Defense Fund=EDF)の上級科学者、エレナ・クラフト女史は「ハリケーンの後のゴミの仕分けなどには、誰も興味がありません。しかしこのプロセスにこそ、本当の脅威が存在しているのです」と語っています。
手作業を主とする工作者やその他の環境保護者たちが、瓦礫の廃棄について話し合うため、今週テキサス州環境保護委員会の代表とミーティイグを開きました。「(州は)慎重に行うべき行動を、埋め立て処分業者に頼っているように思えました」と、クラフト女史は述べています。「州は、積極的な監視に必要な最善の仕事をしていません。誰もが正しいことをしていると思うのは喜ばしいことですが、時にはそうでないこともあるのです」とも。
事例として、ルイジアナ州、べルサイユの件があります。2005年、ハリケーン・カトリーナに襲われた際、ルイジアナ州当局の環境部門は、発生した大量の瓦礫に頭を悩ませ、ベルサイユの低所得ベトナム人コミュニティーの隣に、新しい埋め立て地を開きました。住民の抗議にもかかわらず、投棄は続けられ、数年後に医療廃棄物、油缶、および電子機器のような、慎重に扱われるべきものが捨てられていることが発覚しました。
さらに、PBS(公共放送)のドキュメンタリーは、ベルサイユの埋め立て地には、水漏れを防ぐための合成ライナーや水質監視装置がなかったことを明らかにしています。
オバマ政権下では、米国環境保護庁(EPA)は、有害物資の廃棄および*スーパーファンド・サイトを大きな嵐から守るプランに、気候変動の状況を組み込むよう取り組んでいました。(*有害廃棄物がある土地のこと。Superfundとは、有害廃棄物がある土地を浄化するためのアメリカ連邦政府のプログラムを指す)
しかし今、「異常気象の発生頻度と密度の増加は、EPAの瓦礫処理や緊急事態の対応能力に影響を与える可能性がある」と、報告書は述べています。

(TUNZA: UNEP’s magazine for youth.
9月18日より要約 https://www.facebook.com/TUNZAmagazine

WHERE DO THEY PUT ALL THAT TOXIC HURRICANE DEBRIS?