ネオニコチノイドは蜂には脅威です

最近行われた、これまでで最も広範に実施された、ネオニコチノイド農薬に関する研究は、ネオニコチノイドは、ミツバチと野生ミツバチの両方に害があると結論づけました。

それによると、「ネオニコチノイドにさらされた養蜂ミツバチの多くは冬を越せない。また、マルハナバチ及び単独で暮らすハチは女王バチの出産数が少なくなる」とのことです。

この研究は、英国、ドイツ、ハンガリーで、2,000ヘクタールの広さの土地を対象に、現実の農薬の影響を調べたもので、結果はサイエンス誌に掲載されています。

ネオニコチノイドは、ミツバチへの影響が懸念され、2013年に欧州で一時的に禁止されました。欧州委員会はこの調査の結果をうけ、BBCに対し、この化学物質の使用をさらに厳しくするために、新たな提案を進める意向であるとしています。
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そして、「これは重要なことです。世界の多くの作物は昆虫によって受粉しており、受粉者がいなくなったら、食糧生産の妨げとなります」と、この研究を行った生態学者、生態学、水文学の専門家Richard Pywell教授は語っています。

しかし、このような状況もネオニコチノイドの製造、販売関係者には、「確定的でない」と否定されています。
それには、ネオニコチノイドとミツバチとの関連性を示す研究は増えていますが、実験室ベースの研究が幅広い環境で起こっていることを検証できるか、あるいは野外研究の結果はただ、ハチに対する農薬の影響の単純な関連性を取り上げただけであり、ネオニコチノイドとの因果関係を示しているといえるのか、などについて疑問が残されていたこともあります。

「そのため今回のように、現実的に、ネオニコチノイドが花粉媒介者に与える影響を調べるために、世界各地で大規模な実験を行う必要がありました」とPywell.教授は指摘しています。

調査は、ヨーロッパ33か所で行われました。
実験は2種類のネオニコチノイドをコーティングした種子と油糧種子が使われ、研究者によると、イギリス、ハンガリー、ドイツでは、巣の中で発見されたネオニコチノイド残渣の濃度が高いほど女王の数が少なくなったと語っています。

また、科学者たちは、野生のハチの巣にイミダクロプリドと呼ばれる、ネオニコチノイドの一種を発見しました。この農薬は今回の調査では使用されておらず、それがあるということは、2013年に禁止されたにも関わらず、その化学物質が環境中に残っている可能性があると述べています。

UNEP本部Twitterより