誇りがビジョンに|アリ・ボンゴ・ オンディンバ

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ポール・デュ・シャイユ、メアリー・キングズリー、そしてジャコモ・ディ・ブラッツァ(イヴィンド川でブラッザモンキー を発見、ブラザビルの地名の由来となったピエトロ・ディ・ブラッツァの兄弟)など初期の探検家・博物学者たちは、ガボンの熱帯雨林の多様性に光を当てました。

特にデュ・シャイユは、ゴリラを観察し捕獲した最初の探検家として驚嘆を巻き起こしました。

彼は数々の勇敢な行動の物語をヨーロッパに持ち帰り、それに触発されてエドガー・ライス・バローズは『類人猿ターザン』を書きました。

1999年、現代のナショナルジオグラフィックの探検家でアメリカの生物学者であるマイク・フェイが、コンゴ北部からガボンの海岸まで歩いて探検を開始し、世紀の変わり目の頃のコンゴ盆地の森林と野生生物の状態を記録しました。

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ナショナルジオグラフィックの写真家、ニック・ニコルズが彼に同行しました。

ガボンの自然の驚異を撮った彼の見事な写真は、2002年にフェイ自身とイギリス生まれの生物学者リー・ホワイトによって、私の父である故オマール・ボンゴ・オンディンバ大統領に披露されました。

正直なところ、これらの忘れがたいほどに美しい写真が自分たちの国を写したものであるとは、ほとんど誰も信じられませんでした。

それらは私たちの日常の現実から遠く離れた、まさに魔法のような、超現実的な世界のように思われました。

しかし、自分たちがこのような自然の驚異の管理者なのだと気づいた時、私たちは驚嘆と誇りの感覚を覚え、それはじきに私の父のリーダーシップのもとで、21世紀に公園と持続可能な開発を実現するというビジョンに変わっていきました。

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ガボンの国土の11%を占める13の国立公園を作り、その過程で150万ヘクタール以上の森林の伐採権を無効にするという2002年の父の決断は、2003年にダーバンで行われた前回の世界国立公園会議で賞賛された成功例の一つでした。

公園組織は、生物多様性の保全と生態系サービスのためにその価値を最大限にすることを目的とし、また同時に、気候変動の影響に対する回復力を最大限に高め、近隣の住民との軋轢を最小限に抑えるよう設計されました。

しかしながら、公園の創設は最終地点ではなく、むしろ新しい始まりでした。

実際、狩猟と漁獲が禁止されている“聖なる森”という概念は、ガボンの伝統的なバンツー族やピグミー 族の文化にとって不可欠なもので、公園の創設は多くの人に、伝統を現代世界の天然資源の採取に組み込もうとするものと見なされました。

この歴史的な決断の前年、政府は伐採権の持続可能な管理を義務付ける、新たな森林法を採択しました。

私たちはまたそれに引き続き、主要な湿地帯の保護のために一連のラムサール条約湿地を指定し、陸上の保護区は全体で国土の21%になりました。

フランスとガボンの科学者チームによって最近発行された1990年から2010年までのガボンの森林減少パターンの分析は、この大胆な政策決定により森林減少率が大幅に下がったことをはっきりと示しており、二酸化炭素排出量も約4億トン減少したと推定されます。

今では、ガボンの森林減少率は年間0.01%以下で、森林被覆率は88%と地球上で2番目に森林の多い国です。

ガボンはREDD(森林減少・劣化から の温室効果ガス排出削減)のコンセプトが立ち上げられる前から、実行に移していたのです!

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2009年に私は、今では「ガボンをグリーンに」というキャッチフレーズで要約している、持続可能な開発という政綱を掲げて大統領に選出されました。

私のビジョンは、公園の発見と創設への参加や、英皇太子殿下の「熱帯雨林プロジェクト」のガボン代表としての役割から生まれました。

当時、私は国防大臣で、2008年のG20ロ ンドン・サミットの期間中にチャールズ皇太子が主催した、気候変動はアフリカの平和と安全保障の最大の脅威のひとつであるという考えに基づく会議に、アフリカ代表として出席しました。

その後、私自身の考えと皇太子殿下の国際持続可能性ユニットの考えは、頻繁な相互交流によって、森林から農業へ、 そして持続可能な漁業に至るまで、同時進行していきました。

気候変動はおそらく、私たちが直面している最も重大な共通の危機です。

ガボンの対応は国の開発戦略を評価し直し、国の経済全体に低炭素排出の原則を取り入れることでした。

私たちは、縮小した持続可能な収穫からより大きな付加価値を得ることを可能にするために、2020年までに国内のすべての天然資源を変換するという目標を設定しました。

私たちは土地を最も有効に配分できるように国の土地利用計画を立てています。

それは、気候変動の影響に対する回復力が見込まれる地域において、サバンナや劣化した森林に優先的に農業開発を行い、同時に森林被覆の大部分をそのまま維持することによって、森林が生物多様性と炭素の固定・貯留の聖域であり続けることを保証するためでもあります。

私たちはまた、多額の投資を行って、ガボンの国民と人類全体のために、ますます増加する象牙の密猟の脅威に立ち向かい、国内の公園を専門的に管理する、国立公園局の能力開発にも取り組んでいます。

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現在私たちは、保全と持続可能な管理の方針を領海と排他的経済水域にまで広げており、最近になって漁業管理を改革し密漁を撲滅するために決然とした手段を取りました。

私たちの目標は、何十年間も放置したために荒廃してし まった漁業を立て直すための総合的な戦略の一環として、排他的経済水域の最大20%を禁漁海洋保護区として確保することです。

私たちの意図は簡単に言えば、過去10年間にわたって森林やその他の陸上生態系に対して行ってきたことを、領海に対しても行おうということなのです。

アリ・ボンゴ・ オンディンバ:ガボン共和国第3代大統領

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出典:Wikipedia

Our Planet 2015 Vol.1(通巻38号)