パリ協定を離脱する米国の決定に関する国連環境声明

米国がパリ協定を離脱したことに関し、UN Environment(UNEP)の事務局長、 Erik Solheim氏が以下のようなコメントを出しました。

「気候変動に関する科学の検証は大変明確な答えを出しています。我々はさらに努力をする必要があり、手を緩めてはなりません。これは地球規模の課題です。各国は今こそ行動する責任があります。

たとえ、アメリカがパリ協定脱退を決定しても、我々が継続していく努力に終止符をうつことはできません。中国、インド、EUそして他の国々も、既に、力強いリーダーシップを示しています。そして190ケ国が、彼らと共にパリ協定と未来の世代を守る強い決意を表しています。

気候変動に対する、各州、市、民間部門、一般市民のアクションは目を見張るものがあります。
この比類ない努力は、たった一つの政治的な決定により頓挫することなどはありません。
UN Environment(UNEP) は、すべての関係者に、これからは二倍努力するよう、強く要請します。我々は、より良い未来のために健闘しているすべての人々と行動して行く所存です。

気候変動に対するアクションは、強制された義務ではなく、またとないチャンスです。
再生可能エネルギーへの転換は、仕事を増やし、より良い報酬で、質の良い仕事を生みだします。化石燃料への依存度の削減は、さまざまな人々が参加できる、安定した経済を構築します
そして数百万の命を救済し、環境汚染が原因で必要となる膨大な医療コストを大幅に削減します。

気候変動に対するアクションを行うことは、イラクやソマリアのような、過激思想とテロリズムの前線にいる国々を助けます。それは、ルイジアナ州からソロモン諸島までの沿岸地域を助けるということです。そして、食の安全を保障し、安定を構築し、既に地球規模で未曾有の人道危機を呈している難民の救済にもつなげることができるのです。

パリ協定は、明確なエビデンス、ゆるぎない科学、目覚ましい国際協力の下で創設されました。我々は違いを超えて、共通の歴史的課題に取り組みます。破壊されたオゾン層が回復したことは、この世界的努力が成功したことを証明しています。究極的に言えば、これは誰も放棄することができない、我々自身が生存するための投資なのです」。

UN Environment statement on US decision to leave Paris Agreement