最近、科学者たちにより、新しい太陽電池のプロットタイプが設計され、それを実際に組み立てることに成功しました。これは、複数の電池を積み重ねて単一のデバイスにし、太陽スペクトルの殆どすべてのエネルギーを捉えるというものです。
この新しい電池は直射日光の44.5%を電気に変換するというもので、世界で最も効率的な太陽電池になる可能性を秘めています。
このアプローチは、屋根の上や畑で一般的にみられるソーラーパネルとは異なります。新しいデバイスは、極小の太陽電池に太陽光を集中させるために、レンズを使用した集光型太陽光発電(CPV)パネルを使用しています。そして、より高度の材質を採用し、大きさが1平方ミリメートル未満であるため、コスト面でも効果的に開発することができます。
「地球の表面に到達する直射日光に含まれる電力の約99%は250nmから2,500nmの波長の間にありますが、従来の多接合型太陽電池に使われる材料では、このスペクトル範囲全体を捉えることはできません」と、この研究の専門家は語っています。「我々が開発した、新しいデバイスは、従来のものでは不可能だった、長い波長の光子に蓄えられたエネルギーを利用することができる究極の多接合型太陽電池です」とも。
「科学者は長年にわたり、より効率的な太陽電池に向けて取り組んできましたが、今回のアプローチには2つの新しい側面があります。 第1に、ガリウムアンチモン(GaSb)基板をベースとした金属に属する材料を使っています。これらの基板は、通常、赤外線レーザーと光センサーのアプリケーションで見ることができます。 新しいGaSbベースの太陽電池は、より短い波長の太陽光を捉える従来の基板上に構築された、高効率太陽電池とともに、積層構造に組み立てられます。 さらに、層にする過程で、転写印刷として知られている技術を使用します。この方法により、超微小のデバイスを高い精度で立体的に組み立てることができるのです。
この特殊な太陽電池は非常に高価ですが、研究者は効率の上限を示すことが重要と考えています。使われる材料は高くても、電池を造るための技術は大変将来性のあるものです。
最終的には、非常に高い太陽光濃度レベルによるコスト削減と、高価な基盤のリサイクル技術を実現することにより、これと同様の製品を市場に出すことが可能と思われます。