ゼロウェイスト(zero-waste)を目指す日本の小さな町

時々、紙とプラスチックゴミの分類には時間がかかることがありますが、それは日本南西部の小さな町――上勝町(徳島県)の住民のリサイクル活動に比べたら、なんでもないことです。

以前はゴミを焼却していた上勝町ですが、温室効果ガスや大量の毒素の排出などが環境に与える影響を実感し、2003年、厳格な廃棄ゼロ計画に着手しました。

上勝町では、ゴミをアルミ缶、スチール缶、紙箱、ペーパーチラシなど34種類に分類します。洗浄、仕分け、町の分別センターへの持ち込みといった面倒な作業に慣れるのには、しばらく時間がかかりましたが、今はもうこれが人々の日常となっています(住民はゴミを分類してからセンターへ持ち込み、スタッフが再度そこで分別が正しく行われているかを確認する)。

町には、人々がいらなくなった衣服や家具を置くことができる店があり、そこで他の人が持ってきた物と交換することもできます(訳者注:最近マレーシアがこれをモデルにして交換所を作ったようです)。その先には、地元の女性が、廃棄された古い着物からテディベアを作るような作業場もあります。

現在では、町のゴミの80%がリサイクル、再利用、または堆肥化され、残りは埋め立て処分されています。そしてこのプロセスは、以前は廃棄物焼却に必要だったコストを3分の1削減しました。上勝町は2020年までに完全にゴミをなくす、ゼロウェイストを目指しています。
2015年の世界銀行の報告によれば、世界的にみると、ゴミの生産量は都市化の速度を追い越しています。 2025年までには、全世界の都市に14億人以上の人が住み、1人あたり1日約3ポンド(約1.3kg) の廃棄物を生み出すと推定されます。これは現在の平均量の2倍に相当します。しかし、日本の一人あたりのゴミの量は、アメリカに比較すると約半分です。

「私たちはライフスタイルを、より完全に変えようと努力しています」と、上勝町の持続可能な目標に向けて活動する、NPO法人ゼロ・ウェイスト・アカデミーの坂野晶理事長は語ります。そして今、世界各地の都市が上勝町のような目標を目指して、努力を始めているのです。

(ゼロ・ウェイスト・アカデミー の Facebook です。手仕事展が8月27日まで開かれています。ぜひ閲覧してみてください)

https://www.facebook.com/Zero.Waste.Academy.Japan/
(TUNZA:UNEP’s magazine for youth 8月1日より要約) https://www.facebook.com/TUNZAmagazine