布地と環境の関係-環境に優しい素材を選ぶために(その2)

4. レーヨンとモーダル
これらの人工布地は、植物繊維のセルロースから作られています。 モダールの場合、針葉樹(軟材)のセルロースを利用しています。ビスコースレーヨンは通常は竹が材料です。素材は生物分解性ですが、それを生地に加工する過程で、使用される化学薬品には、二硫化炭素も含まれていて、安全とは言えません。

以下はニューヨーク・タイムズの記事です:

「レーヨン製造現場の労働者が、慢性的に二硫化炭素にさらされていると、パーキンソン病、早期心臓発作、脳卒中のような深刻な病気を引き起こす可能性があります」

とレーヨンの歴史を著した、サンフランシスコ・カリフォルニア大学、医学部のポール・ブランク教授は語っている。

当該の化学物質は環境にも放出されているかもしれません、しかし、その影響を正確に特定することは困難です。 レーヨンが店に並んでいる時に、消費者に危険をもたらすことはありません

とも。

セルロースはそのソースにも疑問や懸念があります。中国で縫製されるレーヨンの服は、おそらくインドネシア産でしょう。インドネシアは、材料となる竹を植えるために熱帯雨林を破壊しています。

製造過程を環境的観点からみれば、レーヨンを作るために、竹が化学的にではなく、機械的に加工される場合、影響はずっと少なくて済みます。これは「竹のリネン」と呼ばれますが、市場での数は少なく、高価です。

5. ポリエステル
ポリエステルは現在、衣料品の60%を占める、衣料業界で最も主要な布地です。その伸縮性、耐久性、快適性が好まれますが、エネルギー集約的なプロセスで、原油から製造されたプラスチックであることを覚えておくことが重要です。 いくつかのメーカーは、しばしばペットボトルを原料とした、リサイクルポリエステルを布地に加えていますが、環境への影響は、非リサイクルポリエステルと同じだということが、最近の研究で分かってきました。

今、我々が認識していることは、ポリエステルを洗浄する毎に、マイクロプラスチック繊維が水路に放出され、湖や海を汚染します。そして、これらは永久に繰り返され、動物や人間は間接的に、それを摂取しています。

ニューヨーク・タイムズに掲載された記事です:

「たとえ、これらのマイクロプラスチック繊維が濾過プラントで吸着されスラッジの一部となったとしても、そのように生成されたスラッジはしばしば、農場に送られて肥料として使用される。 そこからマイクロプラスチック繊維は他の水脈や、その肥料で育てられた植物を食べる動物の消化管に入り込む」

ポリエステルと環境に関し、わかりやすくまとめたビデオがあります。

http://storyofstuff.org/movies/story-of-microfibers/
では私たちは何をすべきでしょう?

●どんな時も可能な限り、オーガニックの素材を選んでください。これらは、より高価で、買うチャンスは低くなりますが、それもよいことです。服を消耗品扱いし、急速な流行の変化に対応する、ファース・トフードならぬ、ファースト・ファッションの態度から、もう脱却する必要があります。

ファッションブロガーEllieとElizabethはDress Well Well Doで以下のようにアドバイスしています:

私たちは、倫理的なファッションというもののキーポイントのひとつは、数か月後に、ゴミ箱行きになったり、寄付用に出したりせず、何度も繰り返し使う服を買うことだと信じています。そうするためには、身に着けることが楽しい布地-直接肌に接して気分が良いもの、そして、それが最後まで続くものを選択する必要があると思います。

ある映画のセリフはこんなことを言っています“心ときめく服以外買わないこと、そうすれば、何度も何度もそれを着ることになるわ”

UNEP本部Twitterより