インドの首都デリーの大気汚染レベルは、WHO(世界保健機関)による安全基準限界の約11倍、ロンドンのほぼ50倍で、毎日50本の喫煙に相当することが判明しました。
先月、世界的医学雑誌であるランセットに発表された調査によると、毎年約250万人のインド人が、汚染が原因で死亡しています。これは世界で最も高い数値です。
特に今回の汚染レベルは未曾有のものです。当局が何とかこの危機を阻止しようとしている間に、学校も休校せざるを得なくなるような状況になりました。
WHOは2014年、大気汚染が北京よりも激しいデリーを、世界で最も汚染された首都に分類しました。2015年の調査では、このインドの都市にいる440万人の学童の約半分が肺機能を損なっており、完全に回復はしないだろうと指摘しています。
健康に最も危険なのは、2.5マイクロメートルよりも小さい汚染物資で、これは体内のフィルターを透過し、血液脳関門に浸透します。
グリーンピースの試験では、PM2.5と呼ばれるこれらの汚染物質には、鉛、ヒ素、カドミウム、水銀などの発がん性化学物質が含まれている可能性があることが示されています。
今デリーには、早急な対策が求められています。